息子はこのたび横浜FCスクールを退会しましたので、アスリートコースに興味のある方が一番の関心事だと思う「アスリートコースからジュニアユースに入れるのか?」ということについて最後にまとめたいと思います。
公開されている情報と1年と少し在籍した経験を基にしたあくまでも私見となりますし、推測が多く含まれていることをご承知おきください。
横浜FCスクールについて
まず、2024年現在の情報として、横浜FCスクールの全体の体系を簡単に整理しておきたいと思います。
各コースにはレベルがあり、上から順にレベルが高い=ジュニアユースへの昇格可能性が高いと考えて良いと思いますし、入る難易度も高いと言えます。ここから先は無条件で入ることができるコースについては対象外とし、つまりアスリートコース以上(表上で上に記載)のコースだけを対象として記載していきます。
なお、エリートプログラムについては横浜FCのWebサイト上にもスクールやアカデミーとしてリストされておらず今一つ位置付けは分かりませんが、数少ない公開されている情報として下記がありますので、
横浜FCフットボールアカデミーサッカースクールとの連携により、U-12強化カテゴリーへの推薦や横浜FCジュニアユースへなどの将来的なプロサッカー選手としての道のりがあります。コース内での紅白戦やU-12強化カテゴリーとの試合を実施し交流を図ります。
「連携」という言葉からおそらくはスクールの中でも特殊な位置付けということなのでしょうけども、U-12強化カテゴリーへの推薦があるということからレベルとしてはアスリートコーススペシャルと同等かやや上のレベルと判断して、上表では2番目にリストアップしておきました。
横浜FCジュニアユースへの道すじについて
上表の各コースの特徴にも記載していますが、将来的にアカデミー(横浜FCの場合にはジュニアユースかジュニア年代であればU-12強化カテゴリー)への道があるのかどうかを判断する上で重要なポイントとしては、「誰が指導するのか?」ということが言えます。もっと言うと、アカデミーのコーチが指導するのか、スクールのコーチが指導するのかが大きな分岐点ということになります。つまり、アカデミーのコーチが指導していないとジュニアユースへ直接入ることが難しいと考えて良いと思います。クラブによって多少の違いはあるもののスクールとアカデミーとでは別組織だと考えて良く、アカデミー側へ入るための道のりを考える必要があるわけです。
J下部アカデミーについてより理解を深めるためには、下記の記事にまとめてありますので参照してみて頂ければと思います。
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Jリーグ下部組織の構成はどのようになっているか?
息子のJ下部組織(J下部)のセレクションを受けた経験を元にして共通点やクラブごとの違いをまとめます。J下部を目指す場合の参考になれば幸いです。 J下部組織のジュニア年代のチーム、スクール ...
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さて、ここからは実際に横浜FCのジュニアユースへの道すじについて整理しながら、アスリートコースからジュニアユースへはどのような道があるのかを考えていきたいと思います。
横浜FCスクールの場合、アスリートコースに通う多く子供達は横浜FCジュニアユースへの入団を目指していると思いますので、実際に横浜FCジュニアユースに入団した子がジュニア年代にはどのコースに在籍していたのか?という点で調べたいと思います。
ここでは、横浜FCジュニアユースと横浜FCジュニアユース鶴見の2023年度、2024年度の入団者の情報を整理しました。
運営が別である横浜FC鶴見が横浜FCのアカデミー扱いとなったのが2023年度からであるため今回は2022年度以前の情報は集計対象外としました。
集計結果は下表の通りです。
集計メモ
- 横浜FCのWebサイト内のアカデミーページの選手プロフィールより集計
- エリートプログラム、アスリートコーススペシャルは片方に入っていた場合と両方に入っていた場合とがあるがここでは区別しない
- 選手プロフィールとしてアドヴァンスコース(2019年度まで2020年度からアスリートコースに変更)と記載されているものはアドヴァンスコースに所属していたものアスリートコースには所属しなかったと判断
- 所属なしについてはスカウトかセレクションによる入団だと思われる
- U-12強化カテゴリーに所属していた子供全員が横浜FCジュニアユース・横浜FC鶴見ジュニアユースに昇格したかどうかは不明(前年度のアカデミーの情報と突き合わせする必要がある)
- エリートプログラム、アスリートコーススペシャル、アスリートコースの子どもたちがそこからジュニアユースに昇格したのか、一般のセレクションを受けて合格したのかは不明(あくまでも所属していたかどうか)
まず、この結果から分かることとして、
これは
- 横浜FCジュニアユースと横浜FCジュニアユース鶴見とでは入団者数がかなり異なる(鶴見の方がかなり多い)
- 横浜FCジュニアユースにはU-12強化カテゴリーからの昇格がほとんどで、ごく一部エリートプログラムやアスリートコーススペシャルやスカウト・セレクションからの入団となり、実質U-12強化カテゴリーに入っていないと入団は厳しい
- 横浜FC鶴見ジュニアユースはU-12強化カテゴリーで横浜FCジュニアユースに昇格できなかったと思われる選手+エリートプログラムやアスリートコーススペシャルに入っている選手からも入っているが、半分以上は昇格ではなくスカウトやセレクションによる入団だと思われる
- アスリートコースからの入団はほとんどない(鶴見では可能性有)
ということが言えると思います。横浜FCジュニアユース(鶴見含む)への道すじを下図に示してみました。
ポイント
- 横浜FCジュニアユースに行くにはほぼU-12強化カテゴリーに入っている必要がある。その他からではかなり狭き門。
- 横浜FC鶴見ジュニアユースであればスカウトやセレクションによって入る人数の方が多いもののアスリートコーススペシャルやエリートプログラムからも一定数行くことができる。
アスリートコースからジュニアユースに行くためには
さて、本題のアスリートコースからジュニアユースへ行くためにという点ですが、上述した通り、アスリートコースから直接的にジュニアユースへ入るということはゼロではないもののかなり厳しいと言えます。そのため、
ポイントジュニアユースに繋がるコースへ一旦入ってからジュニアユースを目指す
というステップが必要になります。具体的に横浜FCスクールからの内部昇格で横浜FCのジュニアユースを目指す場合には、
- U-12強化カテゴリーに入る
- アスリートコーススペシャルに入る
- エリートプログラムに入る
の3つのいずれかとなります。特に鶴見ではなくジュニアユース本体を目指すという場合には、U-12強化カテゴリーに入れるかどうかが最も大きな分岐点になりますし、もし本体にいけなかったとしても鶴見に入ることは可能だと考えて良いと思います。一方、鶴見も含めて視野に入れる場合には、アスリートコーススペシャルかエリートプログラムに入っていれば可能性が高まると言えると思います。
一方で、アスリートコースについてはアカデミーのコーチが指導するわけではないのでそこからジュニアユースに繋がらないのでアカデミーのコーチが指導するもしくは、アカデミーのコーチの目に触れるという場所に行く必要があると考えます。
アスリートコースの場合には、アカデミーのコーチの目に触れるためには、
- U-12強化カテゴリーのセレクションを受ける
- アスリートコース内の年2回のレベル分けテストを受ける
- アスリートコースのコーチからの推薦
のいずれかになると思います。
1.についてはU-12強化カテゴリーのセレクションですので間違いなくアカデミーのコーチが見ています。1次セレクションから見ているのかは定かではありませんが、アスリートコースに在籍していれば1次セレクションは免除で2次セレクションからとなりますので、見られていると考えて良いと思います。
2.については正直レベル分けテストでアカデミーのコーチが見ているのかというのは分からないのですが、見ていればU-12強化カテゴリーへの話もあり得ますし、少なくともアスリートコーススペシャルへ行けるかどうかという点では見られていますので、アスリートコーススペシャルに行くことができればそこではアカデミーのコーチが指導するわけですので、レベル分けテストも重要な機会といえます。
3.については全く分かりませんが、レベル分けテストと同様にアスリートコーススペシャルやU-12強化カテゴリーへの話がある可能性はあると考えて良さそうです。
あとは、アスリートコースのスクールの延長線上には登場しないと思いますが、エリートプログラムを目指すという道もあります。おそらくはコーチから何か言われるということはないと思いますので、自分でセレクションの情報を調べて申し込む必要があります。一方、U-12強化カテゴリーのセレクションやレベル分けテストについては連絡が来ますのでそれに沿って申し込むことができます。
ということで、
もちろん様々な例外ケースもあるとは思いますが、アスリートコースから直接ジュニアユースにはほぼ行けないため、一旦、上位のコースへステップアップしてからジュニアユースを狙うというのが基本的な道すじとなると考えます。
ちなみに、息子については、
- アスリートコースに通っている中でアスリートコースのレベルを上げるができなかった
- コーチから推薦されてアスリートコーススペシャルへ行けるような雰囲気は一切感じられなかった(実力面からもスクール運営的にも)
- 仮にアスリートコーススペシャルへ行けたとしても所属チームの都合もあり通えるかどうかはかなり怪しい状況
- セレクションについてもこれも所属チームの都合もありセレクションを受けるだけでもハードルが高い状況
という現状を踏まえ、このままアスリートコースでの活動を続けていてもその先にU-12強化カテゴリーやジュニアユースへ行ける可能性はほぼないと判断したため、残念ですが退会することにしました。また、所属チームや公式戦の活躍によってはアカデミーのコーチ(スカウト)からU-12強化カテゴリーにスカウトされることもありますので、正直アスリートコースでなければならない理由はジュニアユースへ入るという意味ではあまりないと感じました。
アスリートコースの良い点、改善してほしい点
最後に息子が横浜FCアスリートコースに在籍していた中で感じた良い点や改善してほしい点を書き残しておこうと思います。良い点というのは、どんな人がアスリートコースに向いているのかということにもなります。
アスリートコースの良い点(向いている人)
- コーチの指導、練習内容、スクール生のレベルが高い、少人数で濃い時間となるのでサッカーが総合的に上手くなる
- アスリートコースのレベルを上げるチャンスがあり、つまり、アスリートコーススペシャル等の上位コースへの道があり将来的にアカデミーに入るチャンスがある
- 横浜FCのトップチームの無料観戦、前座試合、また選手がスクールの練習に来てくれることがある等の機会がある(横浜FCが好きな人には特に嬉しい)
アスリートコースの改善してほしい点(含む不明な点)
- アスリートコースの各レベルの基準(何ができればレベル4なのか、等)が分からないのでしっかり説明してほしい
- 日々のスクールの中やレベル分けテストでも子どもの評価内容は分からないのでしっかりフィードバックしてほしい
- レベル分けテストの結果アスリートコーススペシャルやU-12強化カテゴリーへ行くという道はあるのか?
- また、レベル分けテストではなくスクールの中の評価でアスリートコーススペシャルやU-12強化カテゴリーへ行くという道はあるのか?
おそらくアスリートコースに通う子どものほとんどは強化カテゴリーさらにはその先のジュニアユースを目指していると思われるのですが、アスリートレベルや上位コースへの道について明確になっておらず正直モヤモヤが残る形となりました。これらはスクールのコーチやスクールの事務局に聞いてみるべきだったとも思いますが、私としては遠慮してしまい出来ませんでしたので、その点は悔いが残るところですが、いつかこれらのことが解決する日が来ることを願っています笑
スクールの内容としては非常に良くサッカーの原理原則にそって指導されるので間違いなくサッカーが上手くなるということにつながると感じますが、正直これは息子の場合には平日のチームでの練習でも似たようなことをやっており、平日のチーム練習が増えたというイメージにもなっていました。サッカーが上手くなるためというよりアカデミにーに入りたい、ジュニアユースへ繋げたいという目的が主だったこともあり、U-12強化カテゴリーやジュニアユースへの可能性が高くないと感じるようになってからは、チームでの活動に専念した上でスカウトされることを目指すという方が時間的にも金銭的にも総合的に良いと思うようになりました。これは平日にチームの練習があるためサッカーをする環境があることが大きいのですが、逆にチームの活動が週末しかないというような場合にはサッカーが上達するために非常に良い環境だと思いました。
息子の横浜FCスクールでの活動は終了となりましたが、この記事が読まれた方の参考になれば大変嬉しく思います。