プロへの道

J下部ジュニアユースに入りやすいチーム(2023年 神奈川県)

プロのサッカー選手になるために最も近い道としてはジュニアユース(中学生年代)でJリーグの下部組織アカデミー(J下部)に入る事であり、そのためにも小学生年代ではJ下部ジュニアユースに入りやすいチームを選ぶということは重要なポイントの一つとなります。このことは「プロを意識した小学生年代のサッカーチームの選び方」という記事で書かせて頂きましたので先に見た上で本記事を読んで頂ければと思います。

プロを意識した小学生年代のサッカーチームの選び方

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本記事では息子が現在活動している神奈川県について具体的にチームをリストアップしてみたいと思います。

 

J下部ジュニアユースに入りやすいチームのリストアップ方法について

具体的にチームをリストアップしてみますが、「プロを意識した小学生年代のサッカーチームの選び方」では、

  • 毎年のように結果を出している強豪チーム
  • J下部のジュニアユースに入った選手が多いチーム
  • J下部ジュニアと試合をする機会が多いチーム
  • 県や市のサッカー協会のWebサイトにて過去の公式戦の結果を確認する
  • JリーグクラブのWebサイトにてJ下部ジュニアユースの選手の出身チームを確認する

としましたので、今回神奈川県編を例に具体的にしていきたいと思います。

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県の公式戦の成績からチームをレベル分け

まず、公式戦の結果という点についてですが、ここでは横浜や川崎というような市ではなく県の公式戦の結果をベースに考えていきたいと思います。そのため、神奈川県サッカー協会のホームページ「https://kanagawa-fa.gr.jp/」より対象となる公式戦をリストアップします。

神奈川県の主な公式戦

  • 全日本U-12サッカー選手権大会神奈川県大会
  • 神奈川県チャンピオンシップU-12
  • 日産CUP争奪 神奈川県少年少女サッカー選手権大会 高学年の部

ここではこれら3大会を対象として下記の通りのレベル分けとしたいと思います。

チーム成績レベル

◎:直近5ヵ年分の対象大会(3大会)でベスト8以上の合計回数が10回以上(3回に2回以上)

○:直近5ヵ年分の対象大会(3大会)でベスト8以上の合計回数が6回以上(対象年の5か年より多い)

△:直近5ヵ年分の対象大会(3大会)でベスト8以上の合計回数が3回以上(1年に一度以上の水準)

×:それ以外

5ヵ年に渡り安定して県大会でベスト8以上に勝ち上がれるチームというのは、普段からJ下部のスカウトが見る機会は多くなるため、セレクションのような1発勝負ではなくしっかりと見てもらえるのでJ下部アカデミークラスおよびその後の進路としてもJ下部ジュニアユースに行きやすいという傾向があります。その意味では、毎年のように結果を出しているという点で、チーム成績レベルが◎、○のチーム(もしくは範囲を広げるならば△を加えて)を選ぶということが一つの近道ということになります。もちろん、過去5ヵ年分を見ているので、設立されて間もないチームや最近急激に力をつけてきたというチームは含まれないことになりますが、今後何年か後に同様の方法で集計した場合に出てくるはずです。

 

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チーム成績に加えJ下部ジュニアユースの入団人数も加味してチームをレベル分け

次にJ下部ジュニアユースへの入団人数という点ですが、ここでは下記のようなルールでチームのリストアップしたいと思います。

  • J下部ジュニアユースは当該年のシーズンでJ1、J2に在籍しているクラブの中でその県に本拠地を置くチームとする
  • J下部ジュニアユースのチームはJリーグクラブのWebサイト上でジュニアユースとして記載があるもの

つまり、2023年の神奈川県という意味ですと、下記のチームに入団した人数をカウントするということにしたいと思います。

対象のJ下部ジュニアユース

  • 横浜Fマリノスジュニアユース
  • 横浜Fマリノスジュニアユース追浜
  • 川崎フロンターレU-15生田
  • 川崎フロンターレU-15等々力
  • 横浜FCジュニアユース
  • 横浜FC鶴見ジュニアユース
  • 湘南ベルマーレジュニアユース
  • 湘南ベルマーレジュニアユースEAST
  • 湘南ベルマーレジュニアユースWEST

注記


横浜FCは、2023年度より横浜FC戸塚ジュニアユースが廃止となり、横浜FCとは運営が別であるものの横浜FC鶴見が横浜FCのジュニアユース扱いになったため、2023年以降の横浜FC鶴見を計上します。また、神奈川県から例えば東京など他県のJ下部ジュニアユースに行っているケースも一定数いるはずですがそれは考慮せず除外します。

これらのチームへの入団数を元に下記の基準でレベル分けをして、J下部ジュニアユースに入団しやすいチームをレベリングしたいと思います。今回は2021年、2022年、2023年の3年間分を対象年とします。

J下部ジュニアユース入団レベル

J下部:J下部ジュニアチーム

S:毎年4名(レギュラーの半数)以上がJ下部へ行くチーム、かつ、チーム成績◎

A+:毎年4名(レギュラーの半数)以上、もしくは、「毎年複数名がJ下部へ行くチーム、かつ、チーム成績◎、○」

A:毎年複数名、もしくは、「毎年1名はJ下部へ行くチーム、かつ、チーム成績◎、○」

B+:毎年1名以上、もしくは、ほぼ毎年複数名がJ下部へ行くチーム

B:ほぼ毎年1名はJ下部へ行くチーム、かつ、対象年数のJ下部入団人数合計が対象年数以上の水準

C:複数年でJ下部へ行くチーム

D:1年間だけJ下部へ行くチーム

注記


レベルBの「ほぼ毎年」とは対象年のおよそ80%の年とします。(およそとは小数点以下を四捨五入するためこのような表記にしています。例えば、対象年が3年であれば80%で2.4年ですが小数点以下を四捨五入して2年となり2年以上でほぼ毎年という意味となります。)また、対象年数の入団人数合計が対象年数以上というのは例えば、対象年数が3年であれば3年間のJ下部入団人数が3名以上という意味になります。

J下部のジュニアチームからジュニアユースへ上がる人が多くなるのは当然のことですのでJ下部チームは一旦除外する意味でも他とは分けてレベリングします。J下部以外のチームは毎年どの程度の人数がJ下部ジュニアユースに行っているかというものをベースにしつつ、そこにチーム成績が良いとJ下部のスカウトに見てもらえる可能性が高いということを勘案してレベリングします。そのチームのレギュラークラスになれればJ下部に入れるのか、エース級なら入れるのか、チームとの関連はあまりなくあくまでも個の力によってJ下部ジュニアユースに入っているのか、というような傾向が見えてくるはずです。

 

J下部ジュニアユースに入りやすいチームのリストアップ結果

上記のリストアップ方法に基づきリストアップした結果を下記にまとめたいと思います。

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県の公式戦の成績からチームをレベル分け

神奈川県の公式戦の結果については神奈川県サッカー協会のホームページ「https://kanagawa-fa.gr.jp/」に全て掲載されていますので集計した結果を下記にまとめます。

チーム成績レベルの集計結果:◎、○、△合計13チーム

レベル チーム数 チーム名(ベスト8以上の合計回数/15回)
3 川崎フロンターレU-12(11/15)、バディーSC(10/15)、SCH.FC(10/15)
5 あざみ野FC(8/15)、横浜Fマリノスプライマリー(7/15)、JFC FUTURO(7/15)、SF AT ISEHARA SC(6/15)、大豆戸FC(6/15)
5 横浜Fマリノスプライマリー追浜(5/15)、FCパーシモン(5/15)、足柄FC(5/15)、中野島FC(4/15)、原FC(3/15)

 

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チーム成績に加えJ下部ジュニアユースの入団人数も加味してチームをレベル分け

JリーグクラブのWebサイトにはJ下部アカデミーのページがあり、そこにはジュニアユースに入団した選手のジュニア時代の所属チームが載っていますので集計した結果を下記にまとめます。

J下部ジュニアユース入団レベル:対象年2021年〜2023年の3年間の入団実績による全レベル合計123チーム

レベル チーム数 チーム名(対象年数のJ下部入団合計人数)
J下部 3 川崎フロンターレU-12(28)横浜Fマリノスプライマリー(24)横浜Fマリノスプライマリー追浜(14)
S 2 SCH.FC(23)バディーSC(17)
A+ 3 あざみ野FC(14)JFC FUTURO(14)TDFC(12)
A 3 FCパーシモン(10)中野島FC(9)足柄FC(8)
B+ 9 SF AT ISEHARA SC(6)横浜すみれSC(6)原FC(5)横浜深園SC(5)大豆戸FC(4)FC本郷(4)、横浜港北SC(4)、海老名FC(4)、FC C.E.L(4)
B 9 ※チーム名の記載は省略(全て赤字
C 10 ※チーム名の記載は省略(全て赤字
D 84 ※チーム名の記載は省略(全て赤字

注記


青字はチーム成績レベルが◎、○、△のチーム、赤字はチーム成績レベルが◎、○、△ではないチームとなります。つまり、赤字青字が混在するレベルの赤字チームはチーム成績に対して多くのJ下部ジュニアユース入団者を輩出しているということになります。

 

リストアップした結果から考えられること

J下部ジュニアユースに入りやすいチームという観点でリストアップして見ましたが、J下部ジュニアユース入団レベルがJ下部、S、A+、A(およびB+の一部)については毎年J下部ジュニアユースに入団しているということから、基本的にはレベルA以上であればJ下部ジュニアユースに入りやすいチームと言えると思います。もちろんSやA+だとレギュラーの半数以上が毎年J下部ジュニアユースに行くようなレベルであるため間違いなくJ下部ジュニアユースに入りやすいチームと言えます。実際にチームとしてのランキングが上位のチームが並んでいると思います。ただ、レベルA以上のチームはJ下部のジュニアチームを除くとわずか8チームとなります。これらのチームは入ることも大変という場合もありますし、仮に入ったとしてもチーム内の競争が大変ということも間違いなくあります。一方で、J下部のジュニアチームといえどもジュニアユースに昇格できない選手が一定数いるということも分かりますし、チーム内の選手数も違うとは思うもののレベルSのチームについてはJ下部のジュニアチームよりも多くの人数がJ下部ジュニアユースに行くということもありますので、J下部が一番良いとも一概には言えないわけです。これは、J下部のジュニアチームに所属するということは、チーム内での競争相手のレベルが非常に高いため試合に出る機会が減ってしまうということもありますし、そのクラブのジュニアユースに昇格するということになるわけで、他のクラブのJ下部に行くことは基本的には出来ないわけですから、J下部に入るイコール選択肢が狭まるとも言えるわけです。さらに、レベルA以上のチームはJ下部を含めて11チームしかありませんが、B+、B、C、Dの合計は112チームとなりますので、結局はどのチームにいてもJ下部ジュニアユースに入るチャンスはあるということがこの結果から分かります。もちろん、J下部ジュニアユースに入る人数や年数については大きな差があるわけですが、J下部ジュニアユースに入るためにはチームの影響ではなく、その選手個人の力によるところが大きく、つまりは誰にでもJ下部ジュニアユースに入れる可能性があるということが言えると思います。

まとめ

・強いチーム(レベルA以上)はJ下部ジュニアユースに入る人数が多い(強い個が集まりやすく強い個に育ちやすい+J下部から見られる機会が多い環境)

・強いチームでなくとも個の実力や将来性が認められればJ下部ジュニアユースに入れる(レベルB以下のチームが大多数のため)

 

以上、この記事が参考になれば嬉しく思います。

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