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ロングキックを習得するための完全ガイド

サッカーにおいてロングキックは絶対的に必要な技術な訳ですが、特に小学生には非常に難しいので習得にはかなり練習する必要があり、時間も相当要しますので、正しくコツコツと取り組むことが重要です。ただし、正しくというのが厄介でそこで、どのようなポイントを意識して取り組むべきかを全てまとめたいと思います。意識すべきポイントは多いのですが、これらのポイントを意識しながら練習すれば必ずやロングキックを蹴ることができるようになると考えています。

 

どのようなロングキックを目指すか?

まずどのようなロングキックを目指すかという点をイメージすることが重要です。ロングキックにもいくつかの種類があるわけですが、まずは、

ポイント


高すぎずまっすぐ速く伸びていくボール

を目指すべきだと考えます。実際にプロの試合や試合前の練習などを見ると分かりますが、ボールがきれいに伸びて行き受け手の近くでスピードが落ちるようなボールを蹴っています。主に、味方のディフェンスラインから敵の最終ラインの背後やその前のスペースに通すようなパスや、サイドチェンジをするときに使うことが多いと思いますが、1個のパスで大きく局面を変えられる可能性があるプレーになりますので、このロングキックという選択肢を持っているかいないかで大きく違います。ロングキックというと高い弾道で遠くに飛ぶようなボールをイメージすることも多いと思うのですが、出来るだけ速くパスの受け手に届くように、という意識が試合では重要となります。そうでないと、相手に寄せられてパスが通ったとしてもその次のプレーに上手くつながらないということが多いですので、ここではこのような「高すぎずまっすぐ速く伸びていく」というロングキックを蹴るためにという点で書きたいと思います。

高すぎずという目安は、

  • 相手がジャンプしてヘディングでは届かない
  • パスの受け手にダイレクトで届く

範囲で出来るだけ低い高さということとします。

 

まず何から始めるか?

このようなロングキックを小学生が蹴るというのは大変難しい技術になりますので、つまり、抑えるべきポイントが多いということになります。それらを一つ一つ意識しながら習得していく必要があります。難しいからこそまずは、

ポイント


プロのプレーを見る

第一歩として実際のプロのプレーを見てみるということが重要です。例えば、

  • 映像で見る
  • スタジアムで見る
  • 練習を見に行く

のようなことが挙げられます。

今はYoutube等で動画を簡単に見ることが出来ますから、動画でも良いのでプロのロングキックを見て頭の中にイメージとして持つことが重要です。もちろん一番良いのは実際のプロのプレーを生で見ることです。ボールを蹴る音やスピード、回転、スピード、軌道、コントロール、蹴り方のフォーム等々迫力や臨場感が動画で見るのとは全く違いますので、頭の中にイメージを持つという目的においては生で見るのがベストです。あとは、そもそもどのようなシーンでロングキックを蹴ると有効かという点がイメージ出来ているかが重要になりますので、シーン毎にいくつか見てみるとより具体的にイメージできると思います。スタジアムで見る場合には、実際の試合だけでなく、試合前の練習を見るとロングキックの練習も必ずしていますので練習から見るというのがお勧めですし、その意味では、試合ではなく練習そのものを見に行くというのも大変良いと思います。試合でも練習でも動画でも何度も見て、頭の中でプロがどのようなロングキックを蹴っているのかイメージを作り上げます。おそらく自分も蹴ることが出来ると感じてくると思います笑

 

練習で意識するポイントは何か?

さて、頭の中にプロのロングキックのイメージを持ちつつ、実際に練習をしていくわけですが、やってみると分かりますが最初は全然蹴ることが出来ません。ですが、コツコツ取り組んでいくことでやがて蹴ることが出来るようになります。どのようなポイントを押さえながら練習すると良いかということについて書いていきます。

プロのフォームを真似して蹴ってみる

まずは、頭の中でイメージを持ったプロのロングキックを真似しながら蹴ってみます。すると、間違いなく全然上手くいきません笑 そもそも同じようなフォームで蹴れませんし、ボールも飛びませんし、何もかもが違うということが実感できると思います笑 これは大人でもサッカー未経験なら同じですので、ぜひやってみてもらいたいです笑 ちなみに、私も最初は自分でもびっくりするほど全く蹴れませんでした笑

上手くいかない具体的な症状としては、

  • ボールに足がちゃんと当たらない
  • ボールが上がらない
  • ボールに回転がかからない
  • ボールが飛ばない

のようなことだと思います。実際に動画を撮影してみると、そもそもフォームを真似しているつもりでも全然違うフォームになるということに最初はなるはずです。それでも、まずは目で見た正しいフォームをしっかりと頭に入れておき、真似をするという意識が重要です。良いフォームでないと良いボールは蹴れないという意識は重要ですし、その意味でプロのフォームを真似するというのは効率が良いです。

 

ロングキックは足で蹴る?

プロのフォームを見ると分かるのですが、大前提としてロングキックは足だけで蹴る、というイメージを持たないことが重要です。これは、ロングキックだけに限った話ではありませんが、特に遠くにボールを飛ばす必要があるロングキックや強い威力が求められるシュートでは重要なことですが、

  • 身体全体を使って蹴る(特に腕を使う)

ということが重要になります。特に腕を使って上半身をしならせるというイメージです。足については、蹴る前に足を引いて振り上げて下半身をしならせるというようなことをイメージするとは思いますが、下半身だけでなく、上半身もしならせるという意味です。その際には腕の使い方が重要になり蹴り足とは逆側の腕(右足で蹴るなら左腕)を斜め上に振り上げることで、足と腕の両方で身体全体をおへそを中心として弓を引いた時のようにしならせることが出来ます。腕を大きくしならせるには、肩甲骨を寄せるように胸を開き、腕が肩甲骨から生えているかのように大きく・長く使えるとより反動を効かせることが出来ます。そして弓から矢が放たれるかのように腕と足を振り身体全体を使ってボールを蹴るというイメージとなります。ですので、まずは足だけでロングキックを蹴るということではなく、上半身も使い身体全体を弓矢のようにしならせて蹴るという意識を持ち練習をすることが重要です。足についても補足すると、おへそを中心に弓をしならせるように蹴るということは、足は股関節からしっかりと振り上げる必要があります。ただし、弓のようにしならせてスピードを出すには股関節から動かすものの、最後は膝下のスピードが一番出るわけですので、足の根本である股関節から動かしパワーを出しつつも、末端の膝下でスピードを出すという意識が重要です。

 

ボールを当てる足の場所はどこか?

最初は足にしっかり当たらないと思いますが、そもそも足のどの部分で蹴るべきかというと、

  • インステップで蹴る

となります。つまり、最初はそのインステップにほぼ当たらないということになるという意味です。厳密にはインステップの中でもインサイド寄り、右足で蹴る場合には靴紐左側のラインと靴の境目あたりになるはずです。足を親指の付け根から足首の方へなぞった際に途中で硬い突起があると思いますが、そのあたりで蹴るということになります。それが、つま先に当たるとか、インサイドやインフロントに当たってしまい狙っている場所には当たらないということが多いと思います。これはやってみれば分かりますし、既にロングキックがけれている人にはこの難しさが分からなくなっていると思います笑 シュートも同じようなものですが、ロングキックの場合にはシュートよりも距離が長くなり、飛ばそう飛ばそうという意識が強くなることもあり、助走が長くなり、ますます足にミートできないということが多くなります。ですので、まずはボールを遠くに飛ばさないで良いですので、インステップにしっかり当てるという感覚を掴む必要があります。やっていくとインステップに当たったかどうかは自分でも分かってきますが、明らかにボールの飛び方が違うということに気づくはずです。(力を入れていなくても勝手に飛ぶというような感覚)毎回しっかりとインステップに当てられるというのは結構難しいので、これがまず最初のハードルとなります。

 

蹴る際にはボールのどこを蹴るか?

インステップに当てられるようになっても、次にボールが上に上がらないということに直面すると思います。インステップで蹴ってボールを上に上げるためには、ボールのどの辺りを蹴るのか、ということが重要になりますが、

  • ボールの下の方

となります。ボールの上の方を蹴ってしまうとボールは上には上がってくれません。一方で、高いボールを蹴りたい場合には、ボールの真下を蹴るイメージになりますが、高いボールでは味方に届いたとしても相手にも時間があるためすぐに寄せられたり、守備陣形を整えられたりしてしまいますので、ここでは高く上げるイメージではなくまっすぐ伸びていくようなライナー性のボールをイメージしており、つまり、高くあげ過ぎたくない場合には、あまりボールの下を蹴りすぎない方が良いです。ということで、インステップで当てられるようになっても、ボールの下をちゃんと蹴れなければ上には上がらず、途中で相手の選手にカットされてしまったり、高く上がりすぎても試合で有効なキックにならない場合も多くなりますので、ボールの高さをコントロールするのはボールの蹴る位置になりますので、そこを意識しながら練習して行く必要があります。ただ、最初はとにかくボールが上がらないはずですので、まずは高すぎても良いのでボールを上げられるか?という点に注力してみると良いと思います。

 

綺麗な下回転がかかっているか?

基本的にボールの真ん中より下を蹴れば下回転系の回転にはなりやすいですが、真下を蹴らないと横回転が含まれますので、意図的に斜め回転にする場合は別ですが、まずは綺麗な下回転がかかったボールを目指すべきです。ボールの回転はボールを蹴った本人も分かりますし、ボールを受ける場合にも分かりますので、綺麗な下回転がかかっているかは要チェックのポイントとなります。あくまでもパスですのでシュートと違い受け手が処理しやすいボールであることが重要になりますので、下回転がかかることで、受け手の近くで減速して受け手が取りやすいボールになります。また、蹴る際に足をボールに対して縦向きに入れるとボールを飛ばすことは出来ますが、下回転になりにくいため、足はボールに対して横向きに入れるという意識を持つと良いです。つまり、つま先が下を向くのではなく、つま先は横(斜め下)を向きインサイドが下を向くというようなイメージです。

ボールを当てる蹴り足の場所やボールを蹴る位置と合わせると、蹴り足のインサイドを下に向けた状態でインステップを横に向けた状態でボールの下の方に当てるという意識です。

そのためには、軸足の位置がボールに近すぎるとインサイドを下に向けられずインステップを横向きに寝かせてボールの下を蹴れませんし、ボールから遠すぎるとインステップではなくつま先の方に当たってしまいます。ですので、どのあたりに軸足を踏み込むのかは助走をつけない状態で、インサイドを下にインステップを横向きに寝かせてボールを蹴れる位置ということになりますの。うまく蹴れない人の多くは軸足がボールに対して近すぎることが多いですので、予め軸足の踏み込む位置を確認しておき、その位置に踏み込む練習をするということが重要です。

さらに、ボールに下回転をかけるイメージとしては、ボールを上から下に切り落とすような感覚で蹴ると下回転になりやすいです。どうしてもボールを浮かそうとするあまり下から上に蹴り上げるというイメージを持つ場合も多いとは思いますが、これだとボールに下回転がかかりにくいですし、そもそも蹴り足を蹴り上げると蹴った際に軸足に重心が残ってしまいボールに力が伝わらず遠くに速く飛びません。

 

伸びる弾道で速く遠くに飛ぶか?

これまでの、

  • 足の当てる場所
  • ボールを蹴る位置
  • ボールの回転

を意識して蹴ると伸びて行くように遠くに飛ぶような弾道でボールが飛ぶと思いますが、今ひとつボールが伸びない・速くない・飛ばないというようなことが出てくると思います。その際に意識することとしては、しっかりとボールの芯を蹴り抜いていないということが考えられます。しっかりとインパクトしていないという状況です。上から下に振り下ろし下回転をかけようとするとしっかりとインパクトできないということが出てくると思いますが、その場合にはボールの芯を蹴るというイメージを持ちつつ、軸足の踏み込む位置を少し前にすると良いと思います。多くの場合、インパクトが弱いということは、軸足がボールの後ろにありすぎてインパクトした際に一番強く蹴ることができるポイントがボールの芯ではなくボールの表面近くということになっているか、蹴り足の足首が固定できておらず力が伝わらず逃げてしまっていると思います。つまり、ボールの芯まで届いていないとか、一番強く蹴れるポイントでボールの芯を蹴れていないというイメージです。イメージとしてはボールの芯を蹴るというよりボールをしっかりと最後まで蹴り抜く、つまり、ボールにできるだけ長い時間足が触れているという感覚が近いと思います。下回転をかけるために足を上から下に振り下ろすイメージの中、一番力が入るインパクトの部分では芯を蹴り、足はそのままボールの真ん中より下を最後まで蹴り抜き、足を振り上げずにそのまま着地するというイメージです。ボールの芯を打ち抜くと簡単にボールが飛ぶという感覚を得られると思いますし、ボールの下をしっかりと振り抜くことで綺麗な下回転もかかりますので、つまり、伸びて行きながら遠くに飛ぶという目指すロングキックの弾道のイメージを掴むことができると思います。ボールの芯をしっかりと蹴ることが出来れば自分でも驚くほど簡単にボールが飛んでいくということが実感できます。この感覚を掴むことがロングキック習得にはとても重要なこととなります。うまくいかない場合には、足首が固定できていないことが多い気がします。その場合には、蹴り足の足首より先をしっかりと伸ばし足を真っ直ぐにし、さらに足の指をグーにすることで足首が固まり、かつ、インステップに当てやすくなりますので、大変重要です。足をつま先まで真っ直ぐに伸ばすと、軸足よりも蹴り足の方が伸ばした分だけ足が長くなりますので、地面を蹴ってしまわないように軸足を斜めにするというフォームに自然となります。

 

毎回安定して蹴ることができるか?

ここまでのことを意識するだけでもロングキックを蹴ることが出来てきていると思いますが、キックの精度に安定性がなく、たまになら良いボールが蹴れるが、毎回良いボールを蹴れるということはない、という状況になる可能性が十分にありますので、その際に注意すべきポイントをこれまでの点と重複する部分もありますが補足しながら記載します。

  • ボールをしっかり見る
  • 助走は長すぎず、1、2歩にする
  • 踏み込む軸足の位置がズレているので調整する
  • 蹴り足の膝がボールを飛ばす方向に向いているかどうか(外側に向けない)
  • フォロースルーを高く上げずに蹴り足を素早く着地させる、また、着地の位置は軸足とクロスさせ外側に
  • 助走の角度を斜めにする
  • 助走の最後の一歩を大きく強めに、身体をしならせる(足を高くし上から蹴り下ろす)
  • 力の入れ方を気を付ける(お尻で引く+ボールに当たる一瞬しか力を入れず脱力することをメインにする)
  • フォームの乱れがないかを確認する

まず、よくありがちなのがしっかりとインステップに当たらないとか、ボールの芯を捉えきれないということですので、うまくボールに当たらないことが多いという場合にはしっかりとボールを見た方が良いです。ボールを直接見るのではなく間接視野の状態で蹴れた方が良いのですが、まずはボールをしっかり蹴れないと始まりませんので、ボールをしっかりと見て蹴るということを意識すると良いです。さらに、インステップに当らないパターンとしては、蹴り足の膝が外側を向いてしまい、インサイドが下を向かず、インステップでボールをインパクトできないということがありますので、蹴り足の膝をボールを飛ばしたい方向に向けることで蹴り足が横になりインステップでボールを蹴りやすくなります。また、助走が長すぎてもしっかりとボールを蹴れないということになりやすいです。そもそも、助走の勢いでロングキックを飛ばすというのは最後の最後に考えれば良い話ですので、まずは助走に頼らずしっかりとボールをインパクトするということを考えるべきです。そのためにも助走は1、2歩にしてロングキックの練習をするようにした方が良いです。また、インステップが横向きにならずきれいな下回転がかからない、とか、ボールを見てもボールの芯を捉えられないという場合には、踏み込む軸足の位置がズレている可能性があります。自分が狙った場所に足を踏み込めていないということになりますが、おそらく多いのは、前後の位置については少し後ろに踏み込んでいると思われ、左右の位置については、つま先に当たるなら踏み込み位置が遠すぎ、インサイドやあインフロントに当たるようなら踏み込み位置が近すぎということになりますので、足のどこに当たっているか、ボールにどのような回転がかかっているか等を見ながら軸足を踏み込む位置を調整することが重要です。位置を調節する中で、上手く蹴れた時の踏み込み位置や感覚を覚えておき、何度も同じように蹴れるようになることが重要です。また、下回転が上手くかからないとか、ボールが浮かないという場合には、助走の角度がボールに対して真後ろから入っており軸足が地面に対して垂直になっている可能性がありますので、助走はボールに対して斜めに入ります。そうすることで踏み込んだときに軸足が斜めに倒れやすいです。助走の角度としてはボールに対して45度(例えば、ボールから1歩後ろ+1歩横にずれる)を基本とし、あとは微調整しながらボールの下にインステップが横向きに入りやすい角度を探して見つけることが重要です。さらに、蹴り終わったあとの蹴り足のフォロースルーについては、まず上下方向についてですが、足を上から下に振り下ろすイメージで蹴ることが出来ていると、足はすぐに着地するということになるはずです。それが下から上に蹴り足が上がるようだと足を上から下に振り下ろせておらず、つまり、ボールに下回転がかかっていないものと思われます。次に左右方向については、斜めから助走しインステップを横向きでインパクト出来るようになると、体が軸足を中心に蹴り足を上から下に振ることで斜め横方向に回転するようなイメージになります。インステップを横向きにしていることで軸足が斜めになっているため、その方向に蹴り足も向かいますので、結果的には軸足をクロスして軸足の外側に着地することになると思います。さらに蹴り足で着地をするということは軸足は地面から離れて、いわゆる軸足を抜いた状態で、蹴り足側に荷重している状態になるはずです。こうすることでボールに自分の体重が乗り威力のあるボールが飛ぶことになります。さらに、ボールの芯を蹴れたとしてもまだまだ思ったほど飛ばないという場合には、助走の勢いをボールに伝えられていないとか、キックのスピードが出ていないということが考えられます。ボールに力が伝わらない原因としては身体全体を使って蹴れていないとか、力が入りすぎているということが考えられます。既に述べましたが、身体全体をおへそを中心として弓のように上半身、下半身をしならせるイメージにしてその反動を使って蹴ります。特に、おへそを前に出すようなイメージで身体を反ることでテイクバックの足が高く上がりますが、それによってバランスも崩れやすくなりますので、腕もしっかり上げてバランスを取りつつ、弓のようにしならせるということが重要です。おへそを前に出すということは言い換えると、助走の最後の一歩は大きく強く踏み込むということが重要となります。最後の一歩を大きく強く踏み込むことで身体がしなりやすくなります。また、力をどこで入れるかという点は基本的には足を振るスピードを最大化したいため、もし力が入りすぎていると足のスイングのスピードが出ないため思ったようにボールが飛びません。イメージするのは、ブランコです。ブランコを漕ぐ場合にもどこで力をかけているかというと一番スピードが出るブランコが一番下に来る位置だと思います。それが一番スピードが出てブランコが高く大きく上がるからですが、ブランコの場合には勝手に振られるためあまり意識していないかもしれません。ただ原理は同じですので、ボールを蹴る際も足が下に来た際、つまりボールを蹴るインパクトの時に一番スピードが出るように力を入れるということになりますそのために、足を振り上げる際にお尻にしっかり入れるということと、ボールインパクトの時の瞬間だけ力をいれる、逆にそれ以外は無駄に力を入れず、スピードが速くなるようにという点を重視します。さらに、最後は綺麗なフォームになっているかという点が非常に重要になりますので、動画を撮影してフォームがプロのフォームと近いかどうかという点を意識しながらフォームを作っていくということも併せて行います。上手くいかないときにはフォームに問題が出ているということが多いですし、基本的にはきれいなフォームは良いボールを蹴るための必要条件だと思って間違いありません。

 

試合で使うことをイメージすると何が違うか?

ここまでのポイントを意識しながら練習することでかなりロングキックを蹴ることが出来るようになりますが、最終的には試合で使うためという点が重要なわけですので、その点でもプラスアルファで意識すべきことがあります。

  • そもそも試合のどの場面で使うかをイメージしているか?
  • 助走は長く取れないことが多い
  • ボールが動いていることが多い
  • よりコンパクトにスピーディーに

試合のどの場面でロングキックを使うかはしっかりと頭の中でイメージを膨らませておく必要があります。そのためにもプロの試合を見ることは大変有用です。イメージしてみると分かりますが、ゴールキックやフリーキック、コーナーキック以外は試合では相手からのプレスがかかりますので、助走を長く取れないということがほとんどですし、ボールも止まっていることはほぼなく動いているボールを蹴るということになあります。相手にブロックされる前に蹴り、ボールの受け手により多くの時間を与えるために、よりコンパクトにスピーディーにかつ遠くに力強いキックを蹴る必要があるわけです。特に膝下を早く振るイメージで蹴ると良いです。試合で使うためにはこのような点を意識しながらさらに練習する必要がありますが、止まっているボールを確実に蹴れるようになっていれば技術的には十分なレベルに達しているため、ここからはほぼ意識の問題で解決することが出来ます。相手のプレスがあると思うように蹴れないということになるとは思いますが、実際にチームの練習や試合でどんどん使って磨き上げていくという段階にありますので、あとは実践あるのみです。これはロングキックに限ったことではありませんが、全て試合で使うためにどうするか、という点を意識し続ける必要があるわけです。

 

ロングキックを習得するためのプロセス

実際にどのようなステップでロングキックを習得するかという一例ですが、

  • プロのロングキックを何度も見る(頭の中で理想のフォームや弾道をイメージする)
  • 上記に記載したポイントを理解する(頭の中でポイントを整理する)
  • 自主練する(一人で壁当て、二人で対面パス) ※出来ればフォームを撮影する
  • チームで試す(チーム内の練習・試合 → 練習試合 → 公式戦) ※出来ればフォームを撮影する

まずは繰り返しになりますが、プロのロングキックを何度も見た方が良いです。百聞は一見にしかずです。また、YouTubeなどで見ても良いですが、出来れば生で見ることもより重要です。スピード感や迫力が全然違いますので、動画よりもはるかに効果があります。頭の中でまずはプロのロングキックのイメージを定着させます。次に、ロングキックのポイントを頭の中に入れます。ポイントはかなり多くありますが、可能な限り全てを頭の中に入れ切ることが重要です。もちろん一気に短時間で全てをということではなく徐々にでも良いですので最終的には全てのポイントを頭に入れるべきです。次に、プロのキックと自分の頭の中に入れたポイントを元に自主練をします。一人で壁当てで実施しても良いですし、親や友人等相手がいれば対面パスをしても良いです。その際には、ノーバウンドで届く距離でやった方が良いです。遠すぎると間違いなく力がガチガチに入ります。また、可能であれば動画を撮影してフォームを確認すると良いです。最初はおそらくインステップに当てながら下回転をかけるという点が非常に難しいと思いますが、大体の場合は軸足の位置と角度の問題であることが多いですので、この点も撮影をするとよく分かります。また、上半身をうまく使えていないということも多いと思いますので併せて確認します。練習している距離でノーバウンドで安定して届くようになったら距離を伸ばします。ノーバウンドで届く距離が少しずつ長くなって行くと、それまでの距離では出来ていた部分が出来なくなって、練習をして伸ばした距離でも出来るようになってという一進一退を繰り返しながら距離が段々と伸びていきます。年代にもよりますが、通常年単位で習得までに時間がかかると思いますので、コツコツと少しずつ取り組み、頭の中にポイントが入り、意識しながら蹴っていたものが、そのうち無意識で蹴れるようになるとようやくある程度習得したと言えると思います。途中から、自主練だけでなくチームの活動の中でも使っていくと良いです。どの段階からかという点はその人の性格にもよるとは思いますが、チーム内の試合とか練習試合とか試合で使ってみるとこれまで練習してきた通りには蹴れないということに直面すると思いますので、さらに良い刺激になりますこの場合も動画で撮影しているとおそらくは自主練の時と比べてフォームが崩れているということが多くあると思います。それほど自主練と実際の試合とでは差があるものです。最終的には、試合で無意識に思ったように使えるようになれば習得したと言えると思います。もちろん、これがある意味スタートであり、そこからどんどん磨いていく必要があるわけですが、ここまで来るのにも相当な時間がかかっていることもあり、非常に大きな達成感が味わえると思いますが、ロングキックが蹴れるようになると単純にかっこいいですし気持ち良いですし、もちろんサッカーで大いに役に立ちますし、その時を目指してぜひ練習に励んで頂ければと思います。

 

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